『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』、プレイした

ペルソナ4

2020/06/14、Steam で『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』が配信された。Steam 版は値段も高くなかったので、さっそく買ってプレイしていた。休みの日や平日の夜に黙々とずっと進めていって、今日クリアした。

総じて、面白かった。とにかくアートディレクター副島成記によるキャラクターデザインが素晴らしい。オリジナルは2008年の PS2 時代のゲームである。2008年といえばそんなに昔でもないものの、それにしても今観ても映像のクオリティが高いのは舌を巻く。3D CG はさすがに PS2 レベルのポリゴンだし、同じ PS2 でも『ファイナルファンタジーX』(2001)の 3D CG の方が上だし、随所で追加されるアニメ制作会社によるアニメーションもあまり作画に力が入っていないが、キャラクターイラストやイエローを基調にした UI デザインに関しては時代を超えて完成されている感がある。20年後もこの部分は戦えるんじゃないか。音楽もオシャレを狙いすぎている感はあるが、よい。

「ペルソナ」シリーズは「女神転生」シリーズの派生だが、全「女神転生」シリーズで培ってきたものがあるだけに、ダンジョン探索と戦闘もまあ歯ごたえがあって面白い。ちょっと自動生成ダンジョンに単調さは感じるが。

シナリオは、正直言ってそんなによくない。本筋はミステリーなんだけど、その真相はミステリーファンからすればかなり不合理なものだし、たくさんある様々なサイドストーリー(「コミュ」)もありがちなものばかり。ただ、副島の素晴らしいイラストで表現された個性的なキャラクターたちと、よく再現された田舎町の平和な雰囲気によって、そんな微妙なシナリオも楽しく感じられてしまう。なので、明らかな欠点のはずなのにほとんど欠点として感じられなかった。「ペルソナ4」の評価が高いのも頷ける。

ただ、実際に問題点というべきものはあった。PS2 オリジナル版は「クリスマスが終了するとそのまま3月の最終イベントに突入する」らしいが、PS Vita で出た「ザ・ゴールデン」版からはクリスマス後から 2/15 まで毎日活動・イベントがある。実際、オリジナル版のように、12月のクリスマスまでに真犯人を捕まえて、クリスマスイヴを好きなキャラクターと一緒に過ごして、あとはエンディング、というのは話の流れとしてまとまっていたはずだ。「ザ・ゴールデン」版の延長期間は蛇足であって、「真犯人を捕まえて平和に戻ったのに、なんでポチポチコミュ活動しているんだろう」という感がある。その延長期間の目的は、マリーという「ザ・ゴールデン」での新キャラを救うことだが、救うまでに1ヶ月以上待たされるのも無茶苦茶だし、マリー自体がひどい非現実的なだけのキャラだ。「ザ・ゴールデン」では 2/14 のバレンタインイベントが追加されているが、これもひどくて、バレンタインで一緒に過ごすことを選んだ1人以外の女性キャラはふる必要があり、そのときのふられた女性キャラのセリフが可哀想すぎて、こんなイベントはない方がよかった。バレンタイン前のスキーイベントも、驚くほどくだらない。「ザ・ゴールデン」の追加要素がことごとくマイナスに働いている。

世の評判的に「ザ・ゴールデン」版の悪評は特別聞かなかったんだけれど。また、一部の難易度調整やシステム変更は、多分、「ザ・ゴールデン」の方がよくなっているんだろうと思うけど。

オリジナル版「ペルソナ4」に欠点がないかというと、無論ある。ただ、そうした欠点を分かった上で「ペルソナ4」は面白くプレイできた。ペルソナ4 - ゲームカタログ@Wiki の「問題点」でも参照してもらえればよい。

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