ゲームアーツの『グランディア』
ゲームアーツが開発したセガサターン時代の RPG 『グランディア』HD リマスターを Steam 版でプレイして、クリアした。
まず、『クロノ・トリガー』の Steam 版でも感じたことだが、フォントがひどかった。また、数箇所、セリフを喋っているキャラクターのフェイスグラフィックが完全に間違っていることがあって、Web でも前からネタにされているがいまだに直っていない。とはいえ、それ以外に Steam 版の不満点は特別ない。ボタン入力による選択肢確定の反応タイミングが微妙で、つい連打して次に進みすぎてしまうことがあるが、それがオリジナルからの問題なのか Steam 版特有の問題なのかは分からない。
元々『グランディア』は、偶然当時のゲーム雑誌で見ていて面白そうに思っていた。そのため PS Vita でゲームアーカイブス版の『グランディア』を買って途中までプレイしたが、どうしても PS Vita の小さい画面でプレイするのがきつくて、投げ出してしまった。内容がつまらなくはなかったので、Steam 版の日本語化がなされたのを知って、セールで買ってプレイした。やはり、大きなディスプレイとまともなゲームコントローラを使ってプレイすると捗った。
で、結局面白かったかというと、正直それほどでもない。良作ではある。セガサターン時代の傑作 RPG という評判は間違っていない。ただ、本物の傑作はこんなものじゃないと思う。
3D CG を全面的に活用しつつ、キャラクターは 2D のドット絵で表現されていて、当時のプレイステーション/セガサターン時代としてはトップクラスの表現力がなされていると思う。この点は純粋に褒めたい。
戦闘システムも、『ファイナルファンタジー』の「アクティブタイムバトル」や『スターオーシャン』のリアルタイムでキャラが移動して戦うシステムからの正当な進化形といった感じで、複雑ではないが凝っている。ただ、この戦闘システムが完成されているかというといくつか失敗している感じがする。
シナリオについては、前述した映像の力(ドット絵のキャラクターグラフィックが表情豊かに躍動する)がかなり補正してくれるものの、基本的に稚拙。たとえば、ことあるごとに主人公たちは「冒険者は…」「冒険者は…」と主張してきて、プレイヤーは食傷する。ゲーム中で描かれた歩き回れる世界の範囲も、『ドラゴンクエストIII』と比べてさえずっと狭い。一般的には『グランディア』のシナリオの評価は高い方になるし、確かによい部分があるのは分かるんだけれど、やっぱりそれはいろいろなところに目を瞑った評価だと思う。